2寸切り、手のひらタナゴ竿自作

Qちゃん

2021年05月05日 21:00

こんにちは、Qちゃんです








竿作りですが、なかなか上達しないまま、懲りずにチャレンジしています








26本目の今回は『手のひらタナゴ竿』に挑戦しました








私にはちょっとハードルの高い挑戦です








元2寸(仕舞寸法6cm)、全長29.5cm、矢竹削り穂、高野竹6本並継です


プレゼント用なので、仕掛け巻きも浮き&シモリも作ってみました








仕上げは漆ではなく、釣り具屋などで売っている、お手軽なカシュー(新うるし)です








本格的な作り方は、YouTubeのIchiyamatoさんの動画をご覧ください


素晴らしいです。惚れ惚れします








↑ これを見てしまったら、私のブログでできることといえば…








自己流のお手軽バージョンを紹介し、実寸や失敗(しやすい)ポイントを紹介することになるのでしょうか…








参考文献は5代目東作、松本栄一さんの『和竿事典』(つり人ノベルズ)








…と、前述のIchiyamatoさんの動画です








まずは穂持ち(穂先を受ける上から二番目のパーツ)を選びます








爪楊枝よりちょっと太い高野竹がありましたので、まず節を中心に上下3cmずつ+それぞれ数cmずつ長く切ります








矯め(火入れ)するとき、矯め代(ためしろ)を取っておき、矯めが終わってから最終的に設計の寸法に切っていきます


並継ぎにするので、1cmずつ重ねていくことになります。








穂持ち下(上から三番目のパーツ)以下、ノギスを使って、重なる部分を考え、








0.5mmずつ太くしていき...たかったのですが、継ぐ技術に自信がなかったので、0.6mm強にしました








ここが上手にいかないと、すなわち0.5mm以下の差で継げないと、テーパーの大きな竿になります








短いだけに、実際、東京タワーのような仕上がりになってしまいました








さて、作業に戻りますが、なんと火入れ前の各パーツを少し長めに切っておくこの段階で、ドジを踏みました








私は電気コンロを使っているのですが、矯め代が足りなくて、軍手をしても熱かったです








矯め木(テコのようなヘラのような、竹を延ばす木の道具)で延ばすとき、長いほうがやりやすいです








矯め(下矯め)が終わって以下のように切りそろえました








節を中心に上下3cmずつとり、口糸を巻くところは1.5cm、すげ込みは1cmです。








上から3本は、5mmずつ短くします。竿の中に仕舞うためです。ありゃ、ちょっと曲がっているようですね


上側1.5cm、下側1cmの部分の皮を、小刀を直角に当てて剥いでおきます。この作業を「きしゃぎ」と言うようです。








絹のミシン糸(50番=手芸店にある家庭用)を巻いていきます。本当は100番などの細い糸がいいようです。


うわ~、ちょとムラが目立ちますねぇ 左手で竹を回すのが、短くて難しいです(という言い訳)








カシューをうすめて塗り、糸を竹に密着させます。「極め(きめ)」と言う作業らしいです。もちろん本式はカシューではありません


このあと、剣先キリ(自作)で節をくり抜き、また一方で糸の上にカシューを塗り重ねていきます。








剣先キリ自作は下記の記事をご覧ください。これも自己流ですけど
















無事、三本仕舞にできそうです 今までは焦って幅広の剣先キリを使ってしまい、ヒビが入ってしまっていました


糸を巻いた跡がまだ見えるので、カシューはもう少し塗らなくてはなりません








ヤスリで調整し、仮継ぎしてみました


ありゃ、穂先が... これは剣先キリで広げた穂持ちの穴が曲がっているのかもしれません








長さはこんな感じです。


火を入れて曲がりを直していきます。中矯めと言うようです








ここからは画像がないのですが、察して頂き...








糸を巻いた上に塗ったカシューを耐水ペーパー600番ぐらいで磨き(研ぎ)…








カシュー(黒)をまた指で塗りこんで、乾燥させ...








耐水ペーパー1000番ぐらいで研ぎ、糸を巻いた部分は終わりにします。








穂先にリリアンもつけます。カシューで根本を固め、耐水ペーパーで整えます。








次は胴塗りに入ります








カシュー(ネオクリア)をうすめて指で胴全体に塗り、乾燥させ....








コンパウンド3000番→ネオクリア→7500番→ネオクリア→9000番で仕上げとしました。


最後にまた火を入れて曲がりを取って、完成とします。上げ矯めというようです。








う~ん、ネオクリアはいかにも自作っぽい、安っぽい艶が出てしまいますね








次は透(すき)にしてみようかな....透という色は、少し漆っぽい落ち着いた赤味を帯びています








今回は、時々淀川等に一緒に行く中学生、いや高校一年生(になりました)にプレゼントを押し付けるために作っているので、








仕掛けとケースも作ります。浮きはバルサ、シモリはエポキシ→白マニキュア→蛍光塗料→トップコートです。








仕掛け巻きは、ヤダケ端材を半分に切って、彫刻刀で筋を刻んで、谷間にカシュー黒を刷り込んで、魚風にしてみました


いちおうイチモンジタナゴのつもりなのですが...イワシにもモツゴにも見えますね








イチモンジタナゴを釣ったことがないからかもしれません








今回は人さまにお渡しするので、ハリス止めは市販の綺麗なものにしました








はいっ!中身は出来上がり!



技術の未熟さから、手作り感は避けられないのですが、勘弁してもらいましょう








最後はケース作りです。下の写真はもう出来上がり間近ですが


竿ケースの作り方は、またの機会にアップしたいと思います








とりあえず今回は一番簡単だと思われる方法で作りました








上記のように竹を胴付鋸で切り、内側に木を削ったものを差し込み接着、上側をカシューで塗っただけのものです





なんとか仕掛け巻きも含めて、竿ケースに収まりました








いつものお手軽な大阪府内の公園の池のタナゴ用と、淀川の足元の石積みに住んでいる手長エビ兼用という趣旨で、


…またパッケージにして誤魔化します あっ、メダカ釣りにもいいかもしれません

























そしてこの竿は無事、高校生の少年の手に渡りました








ご本人以上にお母さんが気に入ってくれたようで、めでたしめでたしです








今日もありがとうございました








あっ、もし用語などで間違いがありましたらご教示下さい








また、竿を作りたいけど竹が手に入らない方がいらっしゃったら、ご相談下さい








売り物ほどの品質ではないですが、数名様分はあります








釣りっていいですね








釣り人みな兄弟です








さようなら












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